村上春樹 「眠り」(TVピープルより)
村上春樹の「眠り」を読んで、いつものことなのだけどやはりよくわからない。
そしてまた、いつもの如く検索して考察を読むのだけど
短編ということもありあまりヒットしない。
わからないなりに色々書いてみる。
「私」について
彼女は夜目覚め、老人が自分の足に水をかけるときに金縛りにあう。
この恐怖体験を「夢ではないような種類の夢」「リアルな夢」と自分を納得させる。
私たちはしばしば、眠りから覚めるという夢を見る。おそらくこの短編はずっと彼女の夢の中の話だ。つまり、彼女が目覚めて、金縛りに合い、あれは夢だったんだと自分を納得させているのも全て夢なのである。
また、水を掛け続けられるとおそらく足にはふにゃふにゃした皺ができる。お風呂に長時間浸かった時みたいに。
また、彼女は夫の寝顔を見て老いを感じ、みっともないと感じている。
これは彼女が「老い」に対して興味を持っていることを表していると思う。
最後の場面で彼女は見知らぬ二人に車を揺すられていたが、あの二人は息子と夫であると思う。現実世界で眠り続ける彼女を心配し二人が揺すっているのではないだろうか?
夢の中で死について考えていた彼女は、もしかしたら現実世界では死に近づいていたのかもしれない。