スプートニクの恋人
何が面白いのかは明確ではないのだが、彼の文章は私を海の底に引き込み、
そして話さない、ような、魅力がある
私は理解力や考察力に乏しいので、今回もいつものように
読み終えてからいくつかの考察を検索した
どうやらミュウはすみれの母親説、と言うものがあるらしい
なるほど、血の繋がりが運命的な出会いという勘違いを引き起こしたのか
彼の作品の性描写は、いつも何らかの意味を抱えている
それは単なる愛の記号ではなく、
私の脳の容量では言葉で表せられないものの記号、もしくは象徴である
この小説では、記号と象徴のくだりがあったが、なぜかとても印象的だった
それはその二つの違いを懸命に考えたが答えられず、
その回答に納得したからかもしれない
かけがえのない存在がこちら側からいなくなってしまった時、
すなわちあちら側に行ってしまった時、
私は抜け殻になるだろう
なぜなら彼は私の愛の象徴だから